モラハラで離婚するには、弁護士に相談することが大切です

日本ではモラハラによる離婚が増加しています。離婚原因で多いのは、男性の場合は第1位が性格の不一致で63.5%、第2位がモラハラの17.4%、第3位が異性関係の15.5%です。女性の場合は第1位が性格の不一致で44.4%、第2位が生活費をもらえないことで27.5%、第3位がモラハラの24.9%です。

またモラハラ被害者は男性よりも女性のほうが多くなっています。

モラハラとは?

モラハラはモラルハラスメントのことです。相手の人格を貶めるような精神的な攻撃や暴力を加える嫌がらせで、精神的に相手を虐待することです。夫が妻に対して行うことが多く、精神的暴力とも言われます。モラハラは、相手から精神的苦痛を受ける行為をされたとしても、その行為すべてがモラハラに当たるかどうかはわかりにくい場合がありますし、相手からされるモラハラに慣れてしまっているケースがあるため、判断が難しいこともあります。

モラハラになる行為とは?

では、どのような行為がモラハラに当たるのでしょうか。ここでは加害者が夫ということで見ていきます。モラハラの1番目の特徴として、モラハラの加害者は外面がよく、一見優しい人に見え、周りからは好印象を持たれているということがあります。

そのため、被害者自身が「本当は夫は悪い人ではなく、私が夫を怒らせるのが悪いのだ」と自分の責任のように思い込んでしまいます。しかし、それがモラハラを余計にエスカレートさせることになります。2番目に、モラハラでは身体的な暴力ではなく、言葉の暴力を行います。

たとえば、「お前は生きていても何の役にも立たない」「俺がいないと何もできないだろう」「お前は最低な人間だ」「誰が食わせてやっていると思っているんだ」などと相手を貶める言葉を放ちます。3番目に、モラハラ夫は妻を否定し、妻を認めようとしません。

妻が何をしても「お前の料理は最低だ」「家事一つまともにできないじゃないか」などと言葉の暴力を浴びせます。4番目に、モラハラ夫は自分を正当化します。明らかに夫が間違っているのに、「お前が悪い」と言い妻を責めます。

モラハラの加害者は、常に自分が正しくて、間違っているのは相手であるという考えを持っています。5番目に、平気で嘘をつきます。モラハラ夫は外面がいいので、外ではよく思われようとするため、配偶者を貶めようとして、外で妻に関する嘘をつきます。

「うちの妻は何もできず、いつも家が散らかっている」などと言うと、周りはそれを信じてしまい、妻はますます追い込まれます。6番目に、妻を異常に束縛し、嫉妬深いことがあります。昼間に何度も妻にメールや電話をし、妻の返事がなければ「何をしていたんだ」と大声で怒ります。

モラハラ夫は支配力が強いので、嫉妬深く、妻を自分のコントロール下に置きたがるのです。

モラハラを理由に離婚することはできるのか?

モラハラを理由として離婚することは、できる場合とできない場合があります。民法770条で定められている離婚事由では、1.配偶者に不貞な行為があったとき、2.配偶者から悪意で遺棄されたとき、3.配偶者の生死が3年以上明らかでないとき、4.配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき、5.その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき、と定義されています。

モラハラは5の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に当たりますが、自分が受けているモラハラがそれに相当するかどうかが問題です。たとえば夫が妻に対し日常的に暴言を吐いたり説教を続けたりしているとき、妻がうつ状態などになっていたり、妻が夫に何も言い返せない状態になっていたりすると、離婚理由に認められることが多くなります。

調停や裁判になった場合、モラハラの証拠があれば、離婚しやすくなります。逆に離婚できないのは、暴言の頻度が低く、1週間に数回程度、少し暴言を吐くぐらいだと離婚しにくいと言えます。また、夫が妻に暴言を吐いたとき、妻も言い返して応戦し合うことができるのなら、離婚理由になりにくいです。

さらに裁判の場合、モラハラの証拠がなければ離婚が認められません。

モラハラの証拠集めが大切

モラハラで離婚する場合、モラハラを受けていたという証拠が大切になります。証拠とは、夫からの暴言を録音したもの、モラハラを受けたことを記録した日記やメモ、夫が物を壊したり暴言を吐いたりしている場面を録画したもの、夫に渡した反省文などです。

またモラハラにより精神的疾患を患ったのであれば、医師の診断書も必要です。日頃から、こういった証拠を集めておいてから、離婚手続きに移るのがよいでしょう。

モラハラで離婚する方法は?

通常、離婚するときはまず協議離婚を行いますが、モラハラが原因で協議離婚をするのは難しいことが多いのです。妻は夫から精神的に虐待されているため、夫と対等に話ができません。また、モラハラ夫は自分が加害者であるとは思っていないため、妻が離婚請求をしてもその理由がわからず、かえってモラハラが悪化することがあります。

協議離婚できない場合、つぎに離婚調停に移ります。同居したまま離婚調停はしにくいので、別居したほうがよいでしょう。そして離婚調停と婚姻費用分担調停を同時に行います。婚姻費用分担調停をすると、夫は妻の生活費を支払わなければならなくなります。

そうすると、夫は生活費を払うのを惜しんで、離婚に同意することが多くなります。離婚調停は家庭裁判所の調停手続きにより、相手と離婚の話し合いをします。調停委員が間に入ってくれるので、相手と直接顔を合わせたり話したりする必要がありません。

モラハラの証拠がないと、調停委員を説得することが難しい場合があるので、証拠は必ず用意しましょう。証拠があれば、調停委員が被害者側の意見を聞き入れやすくなります。慰謝料の請求も可能です。しかし、離婚調停でも相手が離婚に合意しない場合には、離婚訴訟を起こすことになります。

弁護士に相談して有利な離婚を

離婚訴訟になると、弁護士に依頼する必要があります。離婚訴訟に強い弁護士を選ぶとよいでしょう。モラハラの慰謝料を請求するには、モラハラが頻回である、モラハラが長期間である、被害者にモラハラによる精神的疾患の発症がある、被害者に資産や収入が少ないなどといった、被害者の状況を証明する必要がありますので、普段から証拠を集めておくことがとても大切になります。

モラハラで一人で悩んでいる場合、いつまで経っても解決しません。被害が大きくなる前に早めに離婚する必要があります。そのためには弁護士に相談し、離婚を有利に進めましょう。

→未成年でも弁護士に相談できるのか

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